女子マンガの手帖

女子マンガ研究家・小田真琴のブログです。主に素晴らしいマンガを褒め称えます。

インタビューされました

実は醜い中年男性であるところのわたくしですが、森永乳業「PARM」ブランドサイトのWebマガジン「Daily Premium Calendar」で薄汚いツラを晒しつつべらべら喋っています。


DailyPremiumCalendar(デイリープレミアムカレンダー)|スペシャルインタビュー|「女性は一度、少女漫画から離れてしまう」少女漫画回帰のすすめ 少女漫画研究家 小田真琴 前編


DailyPremiumCalendar(デイリープレミアムカレンダー)|スペシャルインタビュー|少女漫画研究家による、大人の女性にこそ読んでほしい「少女漫画」4選 少女漫画研究家 小田真琴 後編


わたしのツラはどうでもいいので自慢の素敵部屋を見てください!

「SPUR」5、6月号もまとめてドン

「SPUR」の「マンガの中の私たち」も2冊分溜まってました。まずは5月号(3月23日発売)。鳥飼茜先生の『おんなのいえ』(講談社)をご紹介しています。



鳥飼先生、すっかり売れっ子ですねー。「モーニングtwo」では『先生の白い嘘』、「フィール・ヤング」では『地獄のガールフレンド』も連載中。『おんなのいえ』も3巻に突入して絶好調であります。『おはようおかえり』もそうでしたけど、お話が進めば進むほど、キャラクターが走るんですよね。ちなみに3巻に登場する「婦人画報」のエピソードは、以前にわたしが「婦人画報」の連載でご紹介したことがご縁になったようです(笑)。嬉しいですね。


おんなのいえ(1) (KCデラックス BE LOVE)

おんなのいえ(1) (KCデラックス BE LOVE)

おんなのいえ(2) (KCデラックス BE LOVE)

おんなのいえ(2) (KCデラックス BE LOVE)

おんなのいえ(3) (KCデラックス BE LOVE)

おんなのいえ(3) (KCデラックス BE LOVE)


現在発売中の6月号(4月23日発売)では勝田文先生の『小僧の寿し』(集英社)をご紹介しています。



この短編集の『ととせの鴨』って作品が素晴らしいんですよ! 7ページにもわたる「10年」という時間の表現。コマの隅から隅まで味わい尽くしていただきたいのですが、それ以外にも本作では新たな試みがたくさんあるんですよね。勝田先生としては珍しいコマ割りが多数見られ、新境地を感じさせます。


小僧の寿し (マーガレットコミックス)

小僧の寿し (マーガレットコミックス)


これからもずっと読み続けたい作家さんです。陰ながら応援しております。


「婦人画報」4〜6月号をまとめてドン

主にこのブログはわたしだって仕事してるんですよ!とアピールするために書いているものなのですが、どうやらそれだけではモチベーションとしては弱いようで、なかなか継続して書けません。そもそも一般読者の方にはあんまり有用な情報でもありませんで、どうか雑誌やWebをご覧いただければと思うばかりであります。

そんなこんなで溜まってしまったお仕事の告知ですが、この間に「婦人画報」は3冊も刊行されてしまいました。4月号(3月1日発売)では萩尾望都先生の『王妃マルゴ』(集英社)をご紹介しました。



萩尾先生の「軽さ」が最大限に生きている作品だと思います。時代考証の細やかさも素晴らしく、特に衣装に関してはかなりこだわっていらっしゃる様子。細かいところでは「病気」の描写も効いてますよね。身体のささやかな不快感、違和感から、死に至る病までは地続きである様が、自然にさらりと描かれています。ああ、当時はこういう感じだったのだろうなあ、という説得力があります。


王妃マルゴ volume 1 (愛蔵版コミックス)

王妃マルゴ volume 1 (愛蔵版コミックス)

王妃マルゴ 2 (愛蔵版コミックス)

王妃マルゴ 2 (愛蔵版コミックス)


5月号(4月1日発売)では小川彌生先生の『銀盤騎士』(講談社)をご紹介しました。



フィギュアスケート世界選手権の熱が冷めないうちに…!と。おもしろいのはもちろんのこと、さすが筋金入りのスケヲタである小川先生、演技シーンの描写が正確かつ美しいのです。さりげない体の使い方や、ジャンプの準備動作まで、いちばん美しい瞬間を見事に切り出しています。スケヲタのみなさんはもちろんのこと、多くの人に読んでいただきたいラブコメです。


銀盤騎士(1) (KC KISS)

銀盤騎士(1) (KC KISS)

銀盤騎士(2) (KC KISS)

銀盤騎士(2) (KC KISS)

銀盤騎士(3) (KC KISS)

銀盤騎士(3) (KC KISS)


余談ですがマンガにも登場する4Lz、すでにけっこう実戦段階の技術になりつつあります。こちら↓はリッポン。



来シーズンあたりは何人か挑戦してくるんじゃないでしょうか。

で、現在発売中の6月号では逢坂みえこ先生の『プロチチ』(講談社)をご紹介しています。



ちょうど完結巻となる4巻が出たばかりです。さまざまな要素のある本作ですが、どこを読んでも逢坂先生の優しい眼差しに心打たれます。アスペルガー症候群の描写も、さぞかし丁寧に取材してお描きになったのだろうなあ、というリアリティ。生きることの多様性が、さまざまなキャラクターを通じてしなやかに描かれています。全人類必読ですよ。


プロチチ(1) (イブニングKC)

プロチチ(1) (イブニングKC)

プロチチ(2) (イブニングKC)

プロチチ(2) (イブニングKC)

プロチチ(3) (イブニングKC)

プロチチ(3) (イブニングKC)

プロチチ(4)<完> (イブニングKC)

プロチチ(4)<完> (イブニングKC)


マンガとは縁遠そうな「婦人画報」読者のみなさんに、少しでも多くのマンガをお読みいただけたら幸いであります。


婦人画報 2014年 04月号

婦人画報 2014年 04月号

「SPUR」4月号「マンガの中の私たち」第3回とか?

 2月20日、所用で岡山へと向かうわたしの、新幹線の車中での落ち込みっぷりたらなかったですよ。同行者を不安にさせるほどの落胆と疲労感。なぜかってそりゃ真央ちゃんのSPですよ。想定してた最悪の状況よりもさらにずっと最悪の状況。涙をぐっとこらえながら所用をこなし、「ああ、今夜のFS見たくないなあ…」などと思いながら帰途につきました。そしてあの瞬間がやってきます。

 あまりにも早い滑走順は、稀代の天才たる真央ちゃんにはまったくふさわしくないものでした。ただひとつスケートの神様に感謝するとするならば、真央ちゃんが第2グループ最後の滑走者であり、また整氷作業前最後の滑走者であったことです。おかげでわたしたちは思う存分、その圧倒的な演技の余韻に浸ることができたのです。

 こちらがFSのプロトコルです。かつて失われた3-3のコンビネーションジャンプは、2つめの3LoにURが刺さりました。続く3Lzはおなじみのエッジエラー(素人にはまったくわかりませんので論評は自重します)。後半最初のジャンプである2A+3Tの2つめのジャンプにもUR。しかしスピンとステップはすべてレベル4を獲得し、そしてなにしろあの怒涛のような感動。わたしがジャッジだったらPCSはすべて10点満点を差し上げたいくらいです。

 わたしたちにとって「真央ちゃん」とは一体何者でなのでありましょう。娘なのか、妹なのか、恋人なのか、親戚の子なのか、同級生なのか…どれも微妙にしっくりと来ないのは、やはり「真央ちゃん」は「真央ちゃん」としか言いようのない、特別な存在だからではないでしょうか。あの2日間、わたしたちは確かに真央ちゃんのことを心配したし、心の底から応援したし、そして「本当に良かったねえ!」と号泣しました。そんなに振れ幅の大きい思いや言動を、なかなか人様に向けることもないでしょう。

 …と、語りたくなる程度にはフィギュアスケートが好きなわたくしですが、それはさておき「SPUR」4月号です。特にオチもありませんでした。


[asin:B00IJLZHVO:detail]


 今月号はすんごい分厚いですよ。「タウンページ」かと思いました。で、わたしの連載「マンガの中の私たち」でご紹介しているのは、まずりん先生の『独身OLのすべて』です。


独身OLのすべて / まずりん - モーニング公式サイト - モアイ


 本誌でWebコミックを紹介するのは初めてかもしれません。このマンガ、わたしの周囲ではここ1年ほどずっと大人気だったのですけど、そろそろ紹介するタイミングかと思い、担当編集者のMさんを熱烈に説得して、掲載へとこぎつけました!(恩着せがましい) ちょうど下記サイトにインタビューが掲載されていたので、併せてご覧ください。


まんが家・まずりんさんインタビュー アラサー女性の毒を痛快に描写する『独身OLのすべて』誕生秘話(前編)|ウートピ
『独身OLのすべて』作者「まずりん」に聞く「ウェブのまんが家」の実情(後編)|ウートピ


 あとコストナーさんがメダルをとれたのも本当に良かったなあと思いました。では。

Webとフリーペーパーのお仕事と、サロン・デュ・ショコラ2014

その他の最近のお仕事です。

Webマガジン「週刊flier」の「マンガで合宿 漫画ッシュクのすゝめ」という記事で、一気読みに最適な女子マンガ3作をオススメしています。定番っちゃあ定番ですが、『ガラスの仮面』ごっこだけで数時間は楽しめるでしょう(たぶん)。しかしそれにしても近ごろのWebマガジンはレイアウト凝ってますね。楽しげなページにしていただいてうれしかったです。

あとフリーペーパー「GIRLS' TREND」で、イケメンが登場する少女マンガ6作を紹介しています。美容院とかプリクラとかに置いてあるようなので、見つけたらぜひ。

さて、年に一度のチョコ中毒者のための祭典「サロン・デュ・ショコラ」に今年も突撃してきました。アイカード会員は一般の方よりも1日早く入場することができるのですが、わたしはこのためだけにアイカードを持っていると言っても過言ではありません。

以下戦果です。



毎年必ず買うのはパトリック・ロジェパスカル・ル・ガック。この2つは飛び抜けておいしい。おなじみロジェのドーム。



ル・ガックはもちろんボンボンのアソートも買ったのですが、マカロンも売っていたのが嬉しかった。



ラデュレ/エルメとは違うふかふかとした生地に濃厚なクリーム。キャラメル味がおいしかったです。

ヴァンサン・ゲルレのルリジューズ型のチョコはあまりのかわいさに衝動買い。





こういうセンスはフランス人には敵わんです。

あまり人気はなかったようですが、フレデリック・アヴェッカーのボンボンはとてもおいしかったですよ。



これは「プロヴァンスの雪」をテーマにしたアソート。異次元の軽い食感。こんなに軽いボンボン・ショコラは食べたことがありません。ほかにも紅茶をテーマにしたアソートだとか、個性的なラインナップで興味深かったです。全部買えばよかった…。来年もまた来てくれることを望みます。

さて、明日は高島屋の通販で購入した、ジャック・ジュナンのチョコとパット・ド・フリュイとキャラメルが届くはずなのでした。ここのパット・ド・フリュイはほんとおいしいんですよ。日本橋高島屋の店頭ではまだ購入できるかもしれないので、見かけたら買っておいてソンはないですよ! パット・ド・フリュイとは思えない贅沢なフレッシュネスは唯一無二です。有楽町のディーン&デルーカが取り扱うかも…みたいな話もありましたが、ショコラとキャラメルはたまに見かけるものの、パット・ド・フリュイはついぞ見たことがありませんね。

「婦人画報」3月号「小田真琴の現代マンガ考」第3回

立て続けに告知で失敬。「婦人画報」の3月号もよろしくお願いいたします。



連載コラム「小田真琴の現代マンガ考」第3回でご紹介するのは、えすとえむ先生の『IPPO』です。



この記事「流行は漫画のファッションにも現れるのか?「シティーハンター」の場合」が指摘するように、マンガにおいて靴はうやむやにされやすいアイテムであります。『IPPO』の特異性はその点においても際立ちます。

そしてなにしろ靴がかっちょいい。おいしいものが食べたくなるのがよいグルメマンガだとしたら、いい靴が欲しくなってしまう『IPPO』はなんて素晴らしい靴マンガでありましょう。たとえそれが30万円しようとも! ひい。

2巻に入ってグンと面白くなりました。掲載は「ジャンプ改」。男女ともに楽しめることでしょう。眠いので乱文失敬。


IPPO 1 (ヤングジャンプコミックス)

IPPO 1 (ヤングジャンプコミックス)

IPPO 2 (ヤングジャンプコミックス)

IPPO 2 (ヤングジャンプコミックス)