「MdN」9月号で少女マンガのブックデザインに関してちょろっと書いています。
珍しく専門誌からお仕事をいただきました。エディトリアルデザイナーやグラフィックデザイナーのみなさんにはおなじみの「MdN」です。今号の特集は「マンガとアニメのグラフィックデザイン」。
その中で「少女マンガのブックデザイン」という2ページのコラムを書きました。
冒頭に登場するのは「のっぱら」こと『永遠の野原』ですよ! もう、大好きです。本稿は『永遠の野原』の判型のお話からスタートします。この「のっぱら」、3巻になると突然ワイド判=A5判になるんですよね。その不自然さに目を瞑ってでも、1990年前後の「ぶ〜け」編集部は単行本のワイド判化を推進したかったのでしょう。併せて'90年代中盤の「FEEL YOUNG」によるA5判攻勢(草創期の「FEELコミックス」はB6判も多かったのです)を一連の流れと見て、少女マンガの年齢層の拡大をちょろっとだけ考察しています。
ちなみに自分の手元にあるいちばん古い「ぶ〜けコミックスワイド版」はこちら。
こちらも懐かしいですよなあ…。ちなみに初版が1988年12月14日刊行。なぜこの作品が真っ先にワイド判で刊行されたのでしょうか? ギャグだから? そこは謎です。
もともと「ぶ〜け」は美麗な絵をお描きになる作家さんが多かったのですよね。内田善美先生、松苗あけみ先生、吉野朔実先生、水樹和佳先生…。美しい絵を大きな判型で楽しみたいというニーズは当然あったでしょうし、定価こそ上がってしまいましたが、ファンのみなさんは喜んでいらっしゃったのではないでしょうか。とは言えチェック柄がかわいらしい新書版の「ぶ〜けコミックス」にも捨て難い魅力があるのですが。
ほか、吉田秋生先生の『BANANA FISH』の新書版(表1側に日本語がほとんどない攻めのデザイン!)、高野文子先生の『おともだち』、朝日ソノラマ版の『大島弓子選集』などに触れています。
- 作者: 高野文子
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1993/11
- メディア: 単行本
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『おともだち』は南伸坊さんのデザイン、『大島弓子選集』は羽良多平吉さんのデザインですね。触れておいてなんですが、この中で唯一今も入手できるのは『おともだち』のみですね…。
みなさんは少女マンガのどの単行本のブックデザインがお好きでしょうか? お楽しみくださいませ。