女子マンガの手帖

女子マンガ研究家・小田真琴のブログです。主に素晴らしいマンガを褒め称えます。

サイゾーウーマン「女子まんが学入門」第6回『パティスリーMON』

第6回、アップされています。


[連載]まんが難民に捧ぐ、「女子まんが学入門」第6回『パティスリーMON』
『パティスリーMON』を支える、甘い恋愛ストーリーと"現場"のリアリティ
http://www.cyzowoman.com/2010/01/post_1388.html



珍しく新刊でない作品を取り上げてみましたが、何が言いたいのかというと要するに「末次先生、頑張って!」ということであります。みなさん、『クーベルチュール』はお読みになりましたでしょうか。人情物としてはさすがのクオリティで、末次先生熱いよね! さすがだよね! とは思うのですけど、いかんせん、ショコラがあまりおいしそうでなく。

例えばですね、チョコレート作りには欠かせない「テンパリング」という作業があるのですが、これを『クーベルチュール』と水城せとな先生の『失恋ショコラティエ』とで比較してみると、その差は一目瞭然なのです。前者の1巻P.47と後者のP.52をご覧下さい。チョコレートに関する専門知識がなくとも、単純にどちらが「おいしそう」かは即座にご了解いただけるものと思います。

さらに『クーベルチュール』1巻P.42、こんなふうにボンボンにソースをかけたり、フルーツを乗せたり、っていうショコラトリーを私は知りません。ボンボン・オ・ショコラというのはそれだけで完結した小宇宙であって、サロンで供するデセールとはまったく別物であります。

後発であるがゆえに、『クーベルチュール』には「圧倒的な何か」を求めてしまいます。2巻を注目して待ちたいと思います。