女子マンガの手帖

女子マンガ研究家・小田真琴のブログです。主に素晴らしいマンガを褒め称えます。

今年推し損ねた作品たち

先のエントリーにある2誌にあらかた今年のおすすめマンガは書いておきましたが、ほかにも推し損ねた秀作が多数ありました。涙を飲んでランク外とした、2012年の大変に素晴らしかったマンガたちを紹介いたします。

まずは王道から。別マ期待の新人、渡辺カナ先生の短篇集が素晴らしかったのでした。


星屑クライベイビー (マーガレットコミックス)

星屑クライベイビー (マーガレットコミックス)


この方は咲坂伊緒先生に続くヒットメーカーとなる可能性を秘めています。さっそくの初長編1巻が早くも来年1月に発売するようなので、期待して待ちましょう。作風の明るさとは裏腹に、とてつもない繊細さを秘めた作家さんだと思います。

ベテラン・篠原千絵先生の新作も素晴らしく面白かったのでした。


夢の雫、黄金の鳥籠 1 (フラワーコミックスα)

夢の雫、黄金の鳥籠 1 (フラワーコミックスα)

夢の雫、黄金の鳥籠 2 (フラワーコミックスα)

夢の雫、黄金の鳥籠 2 (フラワーコミックスα)

夢の雫、黄金の鳥篭 3 (フラワーコミックスアルファ)

夢の雫、黄金の鳥篭 3 (フラワーコミックスアルファ)


レディコミすれすれの立身出世物語。燃えます。ベテランと言えば坂田靖子先生のこれも素晴らしかった。


ベル デアボリカ 1 (ASAHIコミックス) (あさひコミックス)

ベル デアボリカ 1 (ASAHIコミックス) (あさひコミックス)

ベル デアボリカ 3 (朝日コミックス)

ベル デアボリカ 3 (朝日コミックス)

ベル デアボリカ 4 (あさひコミックス)

ベル デアボリカ 4 (あさひコミックス)


あれ。2巻が品切れですかね。重版しましょう。ほか魔法使いモノに当たりが多かった気もします。


魔法のつかいかた (1) (ウィングス・コミックス)

魔法のつかいかた (1) (ウィングス・コミックス)

魔法主婦マジカルミュー 1 (ヤングジャンプコミックス)

魔法主婦マジカルミュー 1 (ヤングジャンプコミックス)


この2作はおすすめです。前者の不穏で不安定な雰囲気はさすがの草間先生。後者はひたすら笑えます。

最後までランクインさせるかどうか悩んだのがこちらの作品でした。


VIVO! 1 (マッグガーデンコミックス アヴァルスシリーズ)

VIVO! 1 (マッグガーデンコミックス アヴァルスシリーズ)

VIVO! 2 (マッグガーデンコミックス アヴァルスシリーズ)

VIVO! 2 (マッグガーデンコミックス アヴァルスシリーズ)

VIVO! 3 (マッグガーデンコミックス アヴァルスシリーズ)

VIVO! 3 (マッグガーデンコミックス アヴァルスシリーズ)


斬新な教師像です。「実はいい奴」設定が一切ないのも潔いです。

局所的に話題になっていたこの作品も好きです。


マスタード・チョコレート

マスタード・チョコレート


文化庁メディア芸術祭新人賞を受賞しました。甘いだけでもなく苦いだけでもない日々が、しかしとても活き活きと描かれています。

個人的に大好きなこちら。先日発売した3巻も素晴らしかったのでした。


日曜日はマルシェでボンボン 3

日曜日はマルシェでボンボン 3


近年はエッセイコミックでの活躍が目立つかわかみ先生ですが、やはり本分はストーリーマンガだと思うのですよ。世界を慈しむようにして描かれた作品。本当に愛らしい。

凡百の続編モノとは異なり、この2作は今年も面白かったです。


SWAN 白鳥 モスクワ編 2巻

SWAN 白鳥 モスクワ編 2巻

花咲ける青少年特別編 3 (花とゆめCOMICSスペシャル)

花咲ける青少年特別編 3 (花とゆめCOMICSスペシャル)


前者はちょっと落ち着いてしまいましたが、後者は4巻へと続くまさかの中編エピソードに突入。盛り上がっています。

有永イネ先生は今後とも応援していきたい作家さんなのですが、最新長編のこちらもなかなか良さげです。


かみのすまうところ。(1) (KCデラックス BE LOVE)

かみのすまうところ。(1) (KCデラックス BE LOVE)


数百年単位の時間軸の中で動く物語。この時間の感覚はやはり独特で、著者のセンスの良さを感じさせます。

眠いので今日はここらへんで…。ほかこのあたりの作品もぜひ。


はしっこの恋 (Feelコミックス)

はしっこの恋 (Feelコミックス)

はしっこの恋 2 (Feelコミックス)

はしっこの恋 2 (Feelコミックス)

ママゴト 2 (ビームコミックス)

ママゴト 2 (ビームコミックス)

九井諒子作品集 竜のかわいい七つの子 (ビームコミックス)

九井諒子作品集 竜のかわいい七つの子 (ビームコミックス)

ガーフレット寮の羊たち 1 (プリンセスコミックス)

ガーフレット寮の羊たち 1 (プリンセスコミックス)


今さらおすすめするまでもありませんが、もちろんこちらもぜひ。


俺物語!! 1 (マーガレットコミックス)

俺物語!! 1 (マーガレットコミックス)

俺物語!! 2 (マーガレットコミックス)

俺物語!! 2 (マーガレットコミックス)


マンガ的な荒唐無稽さがなにしろ楽しく、そして3.11以後の正しいヒーロー像を提示しつつ、少女マンガのビジュアル表現の限界を超えんともする、なんとも欲張りな作品です。この作画者と原作者の組み合わせを思いついた編集者は天才ではないでしょうか。

オトコものですが、今年いちばん続きが楽しみだったのはこれでした。


星を継ぐもの 1 (ビッグコミックススペシャル)

星を継ぐもの 1 (ビッグコミックススペシャル)

星を継ぐもの 2 (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)

星を継ぐもの 2 (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)

星を継ぐもの 03 (ビッグコミックススペシャル)

星を継ぐもの 03 (ビッグコミックススペシャル)

星を継ぐもの 04 (ビッグコミックススペシャル)

星を継ぐもの 04 (ビッグコミックススペシャル)


めっぽう面白いので仕方ないのです。ご興味あればぜひ。年末の一気読みにも最適でありましょう。